記帳コラム / 2026年10月14日

青色申告特別控除が2027年分から変わる|75万円・65万円・10万円の違いと今からの準備

Yu Advisor(日商簿記2級・AFP)

令和8年度の税制改正で、青色申告特別控除の区分と要件が見直されました。適用は2027年(令和9年)分の所得税からです。2026年分(2027年3月に申告)は従来どおりですが、2027年分は「帳簿をどう付け、どう保存し、どう申告するか」で控除額の差がこれまでより大きくなります。

ポイント

改正後の区分(2027年分以後)

控除額主な要件2026年分まで
75万円正規の簿記(複式簿記)で記帳し、期限内にe-Taxで申告。さらに仕訳帳・総勘定元帳を電子帳簿保存法の特例に沿って電子保存し、「優良な電子帳簿」または「電子取引データを一定の要件で保存」のいずれかを満たす(区分なし)
65万円正規の簿記で記帳し、期限内にe-Taxで申告65万円
10万円正規の簿記で記帳し、書面で申告55万円
10万円/0円簡易な簿記で記帳。前々年分の事業所得・不動産所得の収入金額が1,000万円以下なら10万円、1,000万円超なら0円10万円

出典:令和8年度税制改正大綱に基づく税理士法人・会計ソフト各社の解説。最終的な要件は国税庁の公表資料・法令でご確認ください。

何が変わるのか:書面申告の人ほど影響が大きい

これまで複式簿記で付けていれば、書面申告でも55万円の控除がありました。改正後は書面申告だと10万円になるため、e-Taxで申告するかどうかだけで控除額が55万円違うことになります。税率によっては、所得税・住民税で数万〜十数万円の差になり得ます。

一方、75万円控除を受けるには、e-Taxに加えて帳簿の電子保存の要件を満たす必要があります。会計ソフトによっては「優良な電子帳簿」の設定を年の途中から変更できない場合があるため、2027年1月1日から要件を満たした運用を始められるよう、2026年中に準備しておくのが安全です。

2026年中にやっておきたいこと

  1. マイナンバーカードとe-Taxの準備:スマホやパソコンから申告できるようにしておく
  2. 会計ソフトの確認:使っている(使う予定の)ソフトが優良な電子帳簿の要件に対応しているか、設定はいつ行う必要があるかを確認する
  3. 2026年分の記帳を早めに片付ける:2026年分の申告を終えてから2027年の準備を始めると、年明けの設定に間に合わないことがあります
  4. 2027年は毎月記帳する:年末にまとめて入力するやり方だと、電子保存の要件や訂正履歴の管理と相性が悪くなります

まとめ

2027年分からは「複式簿記で付けているか」に加えて「e-Taxで出すか」「電子で保存しているか」が控除額を左右します。まずは2026年分の記帳を早めに終わらせ、2027年は月次で記帳する体制に切り替えるのがおすすめです。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務判断を行うものではありません。当方は税理士ではないため、個別のご相談には応じられません。